第8歌集『ラヴェンダーの翳り』
- shunjihioki

- 2021年6月23日
- 読了時間: 2分
更新日:2021年6月30日
『地獄谷』は私の第7歌集です。
そのあと、第8歌集『ラヴェンダーの翳り』を上梓しました。
これは、パリのノートル・ダム炎上をテーマにしたものです。
ノートル・ダムの火災は、現場には行けませんでした。
自分の撮ったものではない写真ですが、報道から借りた写真をトリミングなどして加工し、あとで掲載しておきます。
装画は寺澤智恵子さん、装幀は宮島亜紀さんです。寺澤さん素晴らしい絵をありがとうございます。その絵を見てから詠んだ歌を、歌集に入れました。
宮島さん、前回に引き続き美しい本にしていただき、ありがとうございます。
この歌集も実は、小説『エメラルドの夜』に影響を与えています。
『ラヴェンダーの翳り』と『エメラルドの夜』は、タイトルの感じが似ていますね。装丁もともにヨーロッパの匂いがします。
歌集のキャッチコピーは次のような感じです。
これは原案を出してもらって、私が修正しました。
パリの暗闇のなか、
火を噴くような記憶の息遣いが聴こえる。
一瞬きらめき散乱する光のような歌声と
静かに揺れ、さざめく芳醇な香りが、
えぐるように心に沁みる。
何首か歌を引用します。
回転木馬(マネージュ)にラヴェンダーの香の降る午後はふるへやまざりノートル・ダムも
バラ窓の紫が胸にしみてしみて苦しかりけりノートル・ダムよ
遥かなるノートル・ダムよ身を抜けて魂は常におとなひやまず
はみだしてくる蒼き香よ 唸る蜂 蝶の舞ふ声 われ呼ぶは誰そ
サファイアのごとく燃えゐる眼をあげて殺めむか否、殺めてはならず
あをの時代それはピカソの悲しみのきはみをきざむ闇の色なり
かわきたる風かわきたる香草の影とひかりが沁みゆくわれに
天蓋よなぜ崩れしか尖塔よなぜ燃えたるかマリアよマリア


こんな美しい装丁が、あまり人の目に留まらないことが不思議です。しかし私は、その価値を知っています。そして崩れてしまったノートル・ダムの価値も、知っています。

私の第1歌集『ノートル・ダムの椅子』もご紹介しておきます。この本には、帯をつけませんでした。ここが私の出発点です。





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