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手術室前




手術室前





     日置俊次歌集『記憶の固執』より



 内視鏡腸にくぐらすおまへを産んだときより痛いとははそはのはは


 母子手帳と乾したへその緒〈桐たんすの二段目にある〉とははそはのメモ


 癌手術のわが母を待つそれぞれの子に母のゐる闇に背を向け


 わが歌集十冊は母に読ませむと気負ひぬ病廊のすみに身を抱き


 巨大昆虫標本のごとく木にピンで留められてをり母の腸なり





 母の手術には何度も立ち会いました。


 私の身代わりに手術を受けてくれているようにも感じました。


 母が亡くなってからはしばらく歌を詠めませんでした。



 写真はインターネットからお借りし、トリミングや加工をしました。感謝します。







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©2021 SHUNJI HIOKI 
『エメラルドの夜』Wix.com で作成されました。

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