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おほきなおなら



歌集『ラヴェンダーの翳り』から、ルメの歌をご紹介します。



   おほきなおなら



公園を犬とあゆめば子供らに囲まれて質問攻めにあふなり


囲まれるのが嫌ひな犬はどぎまぎしちらちらとわれの顔をうかがふ


われもまたどぎまぎとしてちらちらと黒き斑(ふ)のある犬の顔見る


「この長いしつぽにさはつていいですか」「しつぽはだめです宝物なので」


「しつぽには骨はありますか」「骨がないと動きませんよ」と青ざめていふ


われと犬は目をあはせつつぷるぷるとふるへつつ妙な答へするなり


「どうしてぶちがあるんですか」「そのはうが楽しいからだと思つてゐます」


「おならはしますか」女の子がそつと耳打ちす「毎日してゐます。おほきなおなら」


帰り道「怖かつたわ」とルメが言ふ「でもそんなにおならしてゐるかしら」


青き眼のルメはため息一つして歩みそめたり斑雪(はだれ)の道を


                    

                   日置俊次歌集『ラヴェンダーの翳り』より








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『エメラルドの夜』Wix.com で作成されました。

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