大岡信先生
- shunjihioki

- 2021年6月24日
- 読了時間: 2分
更新日:2021年6月28日
大岡信先生
大岡信先生のご消息は、大岡先生と長いお付き合いのある馬場あき子先生からもしばしばお聞きしていました。
大岡先生は、惜しくも2017年にお亡くなりになりました。
私が学生の頃、本当にたくさんの授業を受けましたが、印象に残っているのは大岡信先生の文学講義と、安藤元雄先生のフランス語の授業です。
大岡信先生は東京芸術大学教授で、安藤元雄先生は明治大学教授で、東大で講義されることに何の不思議もありませんが、ともに名高き詩人です。
学生はみんな素知らぬ顔で授業を受けていましたが、私は「本当にこれがふつうのことなのかな」と思って授業に出ていました。こんなすぐれた詩人の魂のようなものに、こうして簡単に間近で触れられるなどと、いったい誰が期待していただろうと、いつも考えていました。
実は授業の内容よりも、黒板に書く文字とか、ほんのちょっとした動作が気になりました。いつも最前列に座っているからでもありますが、息遣いのようなものが伝わってきて、そこに感動したのです。
大岡先生は話し始めると止まらなくなるという風で、板書の文字も迫力がありました。安藤先生はとても謙虚で、静かな方で、詩の話はなさらずに淡々とフランス語の読本を読んでいました。その対照もおもしろかったのです。
教室に座っていると、作品を作り続けている人の現場に触れているような気がして、文学というもののエッセンスというか、そういう匂いのようなものを、いつもはっきりと感じ取ったのです。
もしいま、私が、純文学の作品を書き続けている姿を学生に伝えられたら、おそらくそこから何かを学ぶ人もいるだろうと思います。
私は今でも、そういう授業があれば受けてみたいと思っています。
写真は閉鎖されてしまった大岡信ことば館のツイッターからお借りしました。2017年6月28日の大岡信さんを送る会の様子で、画素数を落とし、大幅にトリミング加工等をして使用させていただきました。ご冥福をお祈り申し上げます。





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